古今東西よくある話、十番煎じの童話集

小学4年生からの読み物

それは悪いソバだった 16

「そんなこと気にしないでゴゥドン。よして、ねっ、顔を上げて、

もう謝らないで。

あの時は悲しかったけど、ソバオとしてのあなたから優しさを沢山貰ったわ。

もう悲しみなんてないのよ。お互いの昔の名前で呼び合えるんだから、

こんなに幸せなことってないじゃない」

 

「ヒャムギーナ、許してくれるかい?」

 

「もちろんよ」

 

こうして昔に戻った二人は、空白の時間を埋めるかのように

沢山の話をしました。

喜びもどんどん溢れ出てきたので、時間を忘れて夜通し話しました。

二人は空が白み始めたことにも気づきません。

朝が来たことに気づいたのは、山から太陽が顔を出し始めて

橙の光に包まれたころでした。

その光は 二人の新しい出発 を祝っているかのようです。