傘
昔々あるところに河童がいました。この河童は類稀なるキュウリ好きで、
不思議な傘を使ってキュウリを栽培していました。
この傘は河童のDim(do it myself・自作)。
傘を広げた表には、ヒゲのような、あるいはヒビのような細かい線が無数に
描かれていて、どうやら根っこの絵のようです。
裏にはキュウリの蔓と葉っぱの絵が所狭しと描かれています。
雨が降った日には傘をさして外を歩きまわり、水分をたっぷりと吸わせます。
そして雨が上がって陽が差して来たら、ひっくり返して裏側を天に向け
太陽の光を受け取らせます。
それを幾日か繰り返すと中棒の先からキュウリが生えてきて、
ちょうどアルファベットの「J」の形になるまで生長したら食べごろです。