古今東西よくある話、十番煎じの童話集

小学4年生からの読み物

それは悪いソバだった 19

数日後、ソバオのところに烏丸が来ました。

「噂でいろいろ聞いたよ。ソバオ、君は元は小麦だったんだね」

「実はそうなんだ。小麦だったんだけど、ソバになりたくてここに来たんだよ。

それより僕はショックだったよ。逢引する人がいるなんて」

「そういう人もいるの、それが世の中ってものよ。

ところでソバエットを紹介したのって蜂たちでしょ?

蜂は適当なんだから、紹介してもらうのはよしたら?

結婚相手ぐらい自分で探しなよ」

「なんで?あの二人は気のいい蜂だよ」

「性格はいいのよ。でも蜂は蜜が欲しくて仲人するの。

花たちは結婚すると蜜を出すから、蜂たちはそれを狙っているのよ。

蜂にとっては君の結婚相手は誰でもいいんだよ」

「ってことは彼らは僕を利用しただけなのかい?蜂って悪い奴なのかい?」

「蜂たちは基本的には気のいい奴よ。

彼らは花たちが結婚すること自体を純粋に喜んでいる。

その一方で花たちの蜜を飲むために仲人もしている。

そういうものなの、世の中ってのは」