それは悪いソバだった 20
「ふ~ん、そうだったんだ。・・・あっ、聞きたいことがあったんだ。
烏丸、君はなぜ悪魔の実の話をしたんだい?
あんなことを話せば僕が、⦅ソバエットと小麦との逢引⦆という誤った疑い
をかけるじゃないか」
「それが目的だよ。疑惑の相手が誰であろうが、
ソバオが彼女に疑いの目を向けさせたかったの。
自分が疑われていると彼女が気づけば、逢引をやめるかもしれないでしょ」
「彼女の逢引のことは君は知らなかったはずなのに、
なぜ疑うように仕向けたんだい?」
「女の勘よ。彼女が逢引しているって感じたの・・・
女はそういうの分かるのよ。
でも証拠はないから断言できないし、直接的なことも言えないから、
噂話という作り話をして知らせたの」
烏丸は一言付け加えました。
「それとね、ソバと小麦が逢引しても花粉は混ざらないわ。
だから赤ちゃんは生まれない。
混ぜたければソバ粉と小麦粉になってからの方が都合がよいでしょ。
君たち世間知らずだから、それを知らなかっただけ」