ロマンテック
昔々あるところに、カボチャのロメ雄と、カボチャのジュリエッ子がいました。
ロメ雄はジュリエッ子のことがめっちゃ好っきゃねん。
そこで種から生まれたロメ夫は柄にもなく、きゅうこんしました。返事はOKでした。
めでたく二人は夫婦になりました。
仲睦まじく暮らしましたが、ついに子宝には恵まれませんでした。それでも二人は
幸せに過ごし、歳をとってもいつも一緒に居ました。
そして長い年月が経ち、ロメ雄が先に旅立ちました。
その数日後、ロメ雄の後を追うがごとくジュリエッ子も旅立ちました。
周囲の者たちは悲しみの中、ロメ雄のお墓の隣にジュリエッ子を埋めてあげて、
「二人はいつまでも一緒だよ、安らかに」と言って手を合わせました。
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それから冬が来て雪が積もり、その冬も去り、暖かな季節となりました。
二人のお墓はどうなったのでしょう・・・・・・
なんと二人が眠った場所から芽が出ているではありませんか。
瑞々しく可愛らしい緑の二つの芽が、隣同士で微笑み合っています。
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季節は移り太陽の力が強くなりました。
あんなに小さかった芽も、今では大きな緑の波となって地面を覆っています。
グリーンウェーブという言葉がぴったりです。
その中の穏やかな黄色の希望。そう、それは二人の花です。
子供に恵まれなかった二人のために、蜂たちはこっちの花、あっちの花と
行ったり来たりしています。黄色い花を愛でながら、花粉をせっせと運びました。
実りの季節になるころには、二人の愛娘(男の子かもしらんけど)も
大きくなっていることでしょう。
芽出たし、愛でたし。