古今東西よくある話、十番煎じの童話集

小学4年生からの読み物

それは悪いソバだった 1

昔々、匹国島 ( ひきこくじま ) というところに

佐貫(さぬき)ゴゥドンという若い小麦が住んでいました。

匹国島の周囲はセトーチ海峡があり、

海峡の先には東から北にかけて木州(きしゅう)、

西には旧州(きゅうしゅう)という島があります。

 

ゴゥドンは将来について悩んでいて、ふと両親のことが

頭によぎりました。

ゴゥドンの父親のゴーリキーはゴゥドンを育てた後、

強力粉になりました。

母親のハクリーキは物腰の柔らかな小麦だったので、

薄力粉となりました。

そんなことを思い出したゴゥドンは、

「あの両親なら僕は中力粉になり、行く末はウドンだろうな。

真っ白なんて嫌だな。僕は渋い色のソバになりたいなぁ」と

ため息をつきました。