古今東西よくある話、十番煎じの童話集

小学4年生からの読み物

それは悪いソバだった 4

ゴゥドンが来てから数日後、辺りからソバたちが芽を出し始めました。

ゴゥドンが来たときは土の中にいた種が眠りから覚めたので、

周りは沢山のソバになりました。

 

ソバが「君の名前は何ていうの?」と尋ねました。

ゴゥドンは「僕の名前はゴ・・」といったところで声を止めました。

ゴゥドンはソバになりたくてここに来たので、小麦の頃の名前で呼ばれるのが

嫌だったのです。そこで、

「ごめんよ、名前はまだついてないんだ」と嘘を答えました。

ソバは「名前がないの!?君はお母さんから離れる前に

名前をつけてもらわなかったのかい?」と驚いています。

 

(へぇ、ソバってそうなんだ。小麦の場合はお母さんから離れてから、

名前がつけられるのにな)とゴゥドンは戸惑いましたが、

「お母さんから離れるときに、勢いよくはじけ飛んだ拍子に頭を打って、

それで名前は忘れてたんだ」とごまかしました。

それを聞いたソバは

「なんか可愛そうだから、みんなで一緒に新しい名前を考えよう」と言って、

周りにいるソバを誘いました。