それは悪いソバだった 4
ゴゥドンが来てから数日後、辺りからソバたちが芽を出し始めました。
ゴゥドンが来たときは土の中にいた種が眠りから覚めたので、
周りは沢山のソバになりました。
ソバが「君の名前は何ていうの?」と尋ねました。
ゴゥドンは「僕の名前はゴ・・」といったところで声を止めました。
ゴゥドンはソバになりたくてここに来たので、小麦の頃の名前で呼ばれるのが
嫌だったのです。そこで、
「ごめんよ、名前はまだついてないんだ」と嘘を答えました。
ソバは「名前がないの!?君はお母さんから離れる前に
名前をつけてもらわなかったのかい?」と驚いています。
(へぇ、ソバってそうなんだ。小麦の場合はお母さんから離れてから、
名前がつけられるのにな)とゴゥドンは戸惑いましたが、
「お母さんから離れるときに、勢いよくはじけ飛んだ拍子に頭を打って、
それで名前は忘れてたんだ」とごまかしました。
それを聞いたソバは
「なんか可愛そうだから、みんなで一緒に新しい名前を考えよう」と言って、
周りにいるソバを誘いました。